放射線科
スタッフ紹介
放射線科科長 | 杉森 有子(すぎもり ゆうこ) |
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資 格 |
医学博士 |
放射線科医長 | 木下 直子(きのした なおこ) |
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資 格 | 日本医学放射線学会放射線診断専門医 |
[非常勤] | 松岡 利幸(まつおか としゆき) 元 大阪市立大学大学院医学研究科 放射線診断学・IVR学 病院教授 |
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資 格 | 医学博士 日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本IVR学会IVR専門医 |
専門分野 | 画像診断・IVR |
[非常勤] | 真鍋 隆夫 |
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資 格 |
医学博士 |
画像診断
マルチスライスCT装置
当院では、80列のマルチスライスCTを導入しております。
AI技術であるディープラーニングを用いた新画像再構成技術で高画質・低被ばく撮影が可能となりました。また高速撮影により息止め時間も短縮され、開口径も大きくなりましたので患者さまの圧迫感や閉塞感も軽減されます。
機能紹介
SEMAR(Single Energy Metal Artifact Reduction)
以前までは観察が困難でした体内金属周囲の臓器も『SEMAR』という新たな画像再構成技術により観察が可能となりました。
Dual Energy Helical Scan
エネルギーの異なる2種類のX線で撮影する技術で以前までは行えなかった物質の性質や種類などを区別することが可能となり、炭酸カルシウム、尿酸などの結石の組織性状分析ができるようになりました。
CE Boost
オリジナル画像にサブトラクション画像を加算し従来よりも少ない造影剤で制度の高い血管の描出、周辺組織のコントラスト明瞭化が可能となりました。
MRI装置
●フィリップスメディカルシステム 1.5tesla MRI
Intera Achieva Nova Dual 1.5T Philips Release 5-3
若草第一病院MRI室では、高性能最上級グレード Achieva Nova Dualに、2017年8月に一部ハードウェアの更新を行うと同時に最新のソフトウェア(arterial spin label ASL、心筋T1マッピング)を追加導入、アップグレードしました。
特に、心臓MRIと脳血流では最先端の技術を備えています。
● 論文
[ Visualization of Coronary Arterial Wall Based on Maximum Intensity Fusion of Whole-Heart MR Angiograms and Water Suppression SPIR 3D T1 TFE Images ] Shigeko TANAKA,Masuki MORI,Kazuhisa KITAZAKI,Magn Reson Med Sci.,2009;8(2):55-63.Department of Radiology & Cardiology Wakakusa Daiichi Hospital [ PubMed ] |
● 腰椎、顎関節、膝関節、足関節では、3D Spin Echoによる各神経根の圧迫の有無、関節軟骨損傷程度、靭帯、顎関節症の診断を行っており、3Dデータも提供可能。
↑ 左L5神経根
3D Spin Echoを用いたMPR
DE-VISTA(PDWI+T2WI)
↑L4/5椎間板が左尾側に突出
左側椎間孔の手前で
左L5神経根(↑)を圧迫
● 論文
[ High contrast between lumbar nerve roots and surrounding structures using dual echo 3D turbo spin echo additional fusion images. ] Kinoshita N,Tanaka S,Sugimori Y,Nakahira K,Ryoke K,Matsuoka T,Fujioka M,Miki Y.,Japanese journal of radiology,doi: 10.1007/s11604-018-0751-2. [Epub ahead of print].[ PubMed ] |
血管撮影装置
●X線循環器診断システム
様々な被ばく低減機能を搭載し、X線管球や検出器の機能向上によりX線量を減らしつつ高画質な画像を得られます。またリアルタイムに放射線量を把握することができ、被ばくによるリスクを下げることが可能となっております。
機能紹介
線質調整フィルター
X線を照射する際にフィルターを付与することで画質に影響のないX線をカットするため、従来の装置に比べて50%の被ばく線量が低減できます。
Spot Fluoro
X線照射範囲を絞り被ばく線量を低減をします。範囲外は最終透視画像を表示することで位置情報を確保します。仮に50%の領域を絞ると50%の被ばく線量が低減できます。
この機能は、動きの少ない下肢の処置などで有用です。
SPOT ROI
よく観察したい箇所にだけ通常のX線を照射し、その周辺は低線量のX線を照射することで被ばく線量を低減しています。低線量領域では65~85%の被ばく線量を低減できます。
この機能は、動きの多い心臓の処置などで有用です。
Dose Tracking System(DTS)
入射皮膚線量をリアルタイムに算出し、仮想患者モデル上にカラーマッピングします。手技中の被ばく線量を把握し放射線のリスク低減に努めます。
核医学検査
● 骨シンチ
骨シンチ 骨造成性(osteoblastic)の骨転移では骨代謝を反映する骨シンチは糖代謝を反映するFDG-PETより検出率は高い。前立腺癌の病期診断に特に有用。Marginal SPECTを用いて前後に重なる胸椎と胸骨の分離を行い正確な存在診断(感度)を心がけています。 一般的に骨シンチでは劣るとされる特異度(骨転移と変形性関節症等の区別)に関しても骨シンチでの部位、形状の集積パターン検討、 CT(MPRを含む)との比較を行い、質的診断に可能な限り迫っています。
● 脳血流シンチ
負荷前脳血流シンチ
ダイアモックス負荷後 脳血流シンチ
MRI FLAIR
本症例はMRI上梗塞は見られず、MRAでは右内頸動脈の閉塞(↑;右後交通動脈)、左中大脳動脈の途絶を認めた。 脳血流シンチでは、右内頸動脈の閉塞にも関わらず、右側では負荷前の脳血流量は十分で、ダイアモックス負荷後の 血流増加も良好(後交通動脈、外頸動脈からの血流による)。左側は負荷前対側比80%以下、ダイアモックス負荷による 血流増加は10%未満で、脳循環予備力の枯渇と考えられ、バイパス術施行された。
放射線治療
最新の放射線治療装置
がん病巣にピンポイントで照射でき、
高い治療成績と体に負担の少ない治療が期待できます
高精度の治療が可能に
● 画像誘導放射線治療
(IGRT:Image Guide Radiation Therapy)
若草第一病院で最新のリニアック(放射線治療装置 Elekta Synergy®:エレクタ シナジー)を導入しています。
放射線治療は手術、抗がん剤に並ぶがん治療の柱の一つです。幅5mmのマルチリーフコリメータを病変の形に正確に一致させて腫瘍に線量を集中することで、周囲の正常組織への線量を極力低減させることが可能となりました。また、毎日の治療では腫瘍や臓器の動きに合わせ、コンピュータを駆使し高い精度で多方向からピンポイントで照射し治療効果を上げ、副作用を軽減します。
放射線治療は体への負担が少なく、痛みもなく高齢者の方にも手術以外の選択肢として治療を受けていただけます。治療期間は1ヶ月前後で、仕事をしながらの外来通院も症例によっては可能です。
がんの完全な治療を目的とすることはもちろん、がんに伴う様々な症状を和らげる治療、個々の患者さんの症状に合わせた治療に対応しています。