脊椎センター/人工関節センター
脊椎センター
当院脊椎センターは2025年4月より、頚椎から腰椎までの先進的外科治療を提供する目的で新たに開設されました。脊椎センター長の小谷善久は2025年4月1日に関西医大総合医療センター病院教授より転任し、米国低侵襲脊椎外科学会(SMISS)のInternational directorとして活躍している他、国際的に低侵襲脊椎外科を推進しています。
術中可動型CTと脊椎ナビゲーションシステム
本センター設立にあたり、当院は術中可動型CT(O-arm2)と脊椎ナビゲーションシステム(Stealth Station S8)を手術室に導入しました(図1)。

(図1)術中可動型CT(O-arm2)と脊椎ナビゲーションシステム(Stealth Station S8)
脊椎手術ではスクリューによる変形の矯正や人工椎体などによる固定を行うことも多く、これらを安全かつ正確に行うために脊椎ナビゲーションを使用することは世界標準となっています(図2)。
(図2)脊椎手術の様子
O-arm2を用いた脊椎ナビゲーション手術は、多くの脊椎手術を低侵襲的に安全に行う上で極めて有用です。頚椎から腰椎までの脊柱変形、腰椎すべり症などに対する矯正固定術(図3,4)、

(図3)頚椎から腰椎までの脊柱変形

(図4)腰椎すべり症などに対する矯正固定術
お腹から小皮切で椎間板の切除と骨移植を行うOLIF25やOLIF51手術(図5,6)

脊椎内視鏡手術でも小さな傷から位置を確認しながら行うことができ安全です(図7)。

(図7)脊椎内視鏡手術
脊椎センター長の小谷善久は北海道大学病院や関西医科大学総合医療センターなどで20年以上脊椎ナビゲーション手術の開発・応用に携わっており、脊椎疾患を低侵襲的に合併症なく治療することをライフワークとしています。頚椎から腰仙椎までのすべての背骨の問題に対応できます。お気軽にご相談ください。
人工関節センター
高齢化社会の進展に伴い、膝や股関節の痛みで悩む方が増えています。再生医療などの手術をしない治療法も行われていますが、最終的な治療法として人工関節置換術の需要は年々増加しています。実際、手術を受ける患者さんも年々増加しています。
人工関節置換術は、痛みの原因となる変形した関節部分を取り除き、人工関節に置き換える手術です。痛みを取る効果が高いのが一番の特徴で、その効果の持続性も高く、多くの患者さんは一生に一度の手術になります。
膝や股関節の同じような症状で悩まれている患者さんでも、実際には骨や関節の形、大きさ、関節の柔軟性は大きく異なります。そういった個人差も含めた手術前の患者さんの状態が手術結果に及ぼす影響は大きく、同じ部位の人工関節手術でも全く違う結果になることもあります。手術した人工関節は体の一部として大きな問題がない限り使い続けるものですので、当センターでは使用する人工関節の種類、サイズ、手術法などを患者さん一人一人に最適化した『オーダーメイド医療』を実施することで、より多くの患者さんに手術を受けたことを忘れて普通の生活ができる人工関節手術を提供したいと思っています。
コンピューター支援手術
手術前計画
手術を受ける患者さん全員にCTを撮影し、患者さん一人一人の骨格、関節の大きさや変形、左右差を評価します。CTの情報をコンピューターに入力し、人工関節の3次元情報と重ね合わせることで、最適な人工関節の機種を選択し、使用するサイズや設置位置、角度、左右差などを綿密に計画します。(図1、2)

(図1)

(図2)
ナビゲーション手術
手術前計画を正確、安全、確実に行うために、人工股関節手術時にはナビゲーションを使用します。手術に熟練していても人間の感覚には限界があります。ナビゲーションを使用する事で1度1㎜単位での正確で再現性の高い計画通りの手術が可能になります。その上で関節の柔軟性や可動域を加味した微調整を行うことで、患者さんにとって最善の手術を提供します。(図3)

(図3)


