知っておきたいワクチンの基礎知識

2020年10月14日

長引く新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、ワクチンの開発が待たれる一方です。
今回はワクチンに関してQ&A形式でご紹介いたします。

 

 

Q.そもそもワクチンとは何ですか?

ワクチンは大きく3つに分けられます。

生ワクチン

生ウイルスや細菌の病原性を極めて弱くしたものや有効成分だけを取り出したもの

代表的な生ワクチンの種類

はしか(麻疹)、三日はしか(風疹)、おたふくかぜ、水ぼうそう、BCGなど

不活化ワクチン

化学処理によって全く病原性をなくしたもの

代表的な不活化ワクチンの種類

4種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)、インフルエンザ、ヒトパピローマウイルス(子宮頸がんの原因)など

トキソイド

病原体が産生する毒素を無毒化したもの

代表的なトキソイドワクチンの種類

ジフテリア、破傷風など

ワクチン接種することで、免疫細胞が抗原と見なし対応する抗体を産生するようになり、病原体に対する免疫を獲得できます。

 

Q.肺炎球菌ワクチンで新型コロナウイルス感染による肺炎を予防できますか?

残念ながら肺炎球菌ワクチンで新型コロナウイルスなどウイルスによる感染症や、肺炎球菌以外の細菌による感染症を予防することはできません。しかし、成人が日常的にかかる肺炎の原因菌は肺炎球菌が最も多く、特にリスクの高まる65歳以上の高齢者には厚生労働省より定期予防接種が推奨されています。

 

Q.ワクチンを打てばその病気に罹ることはないのですか?

多くの場合、その疾病に対する免疫を獲得できます。しかし、その免疫効果は必ずしも100%ではありません。ワクチンの種類によっても免疫獲得率は千差万別です。はしかの免疫獲得の有無は、抗体量を測る検査で調べることができます。インフルエンザワクチンの場合では、感染を完全に防ぐことはできませんが、感染後の重症化を防ぐ効果は期待できます。

 

参考
一般社団法人日本呼吸器学会,日本成人肺炎診療ガイドライン,2017

 

若草第一病院 薬剤部