抗菌薬を正しく理解して正しく飲みましょう!

2019年06月10日

皆さん、「抗菌薬・抗生物質」という言葉を聞かれたことがありますか?
2018年8月に厚生労働省委託事業AMR臨床リファレンスセンターが実施した『抗菌薬意識調査2018』によれば、 「抗菌薬・抗生物質について知っている・聞いたことがある」 と答えた人が実に94.2%:(ある:66.7%、あるが詳しくはわからない:27.5%)とほとんどを占めていました。
しかし、この調査で、抗菌薬についてまだまだ大きな誤解があることもわかりました。

 

「抗菌薬・抗生物質がどのような病気に有用か知っていますか?」
という質問に対し、ほぼ2人に1人の方が「かぜ」や「インフルエンザ」に抗菌薬が効くと答えられていますが実際は効きません!
抗菌薬は「肺炎」や「膀胱炎」など細菌が原因となる病気に有効であり、「かぜ」や「インフルエンザ」などウイルスが原因で起こる病気には効きません。
しかし、多くの人が、ウイルスが原因となる病気にも抗菌薬は効くと誤解されているため、約30%の方がかぜで受診した時に自ら抗菌薬の処方を希望すると回答されていました。抗菌薬を飲んでも治るまでの時間は変わりません。無効な使用でむしろ副作用や薬剤耐性菌が増える恐れもあるのです。

もっと困ったことには、抗菌薬ではない薬(抗ウイルス薬や解熱鎮痛薬)を抗菌薬と思い込んでいる方が少なからずおられることもわかりました。

 

抗菌薬について知っておきたい4つの事実

 

抗菌薬・抗生物質は
細菌による感染症を
治療する薬です。
熱を下げる
ための薬では
ありません。
かぜや
インフルエンザには
効きません。
副作用や
薬剤耐性菌が
増える恐れが あります。

この4つの事実を再確認していただき、「抗菌薬を正しく理解して正しく飲む」習慣を是非つけていただきたいと思います。

 

『抗菌薬意識調査2018』集計結果

(調査対象:10代~60代の一般男女全国721名)

  Q1.抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがありますか?

 

  Q2.抗菌薬・抗生物質がどのような病気に有用か知っていますか?

 

  Q3.かぜで受診した時にどんな薬を処方してほしいですか?(回答率TOP5)

 

  Q4.あなたが思う抗菌薬・抗生物質とは、どれですか?(回答率TOP5)

  (抗菌薬5種類、抗菌薬以外7種類の全12種類の薬から複数回答)

 

抗菌薬適正使用支援チーム