低酸素・睡眠呼吸障害の検査

2019年03月08日

低酸素状態とは?

 低酸素状態とは血中の酸素濃度が低下していることで、この状態が知らない間に続くと身体に悪影響となり色々な疾患に陥るため、早期に発見することが重要な鍵となります。

 

低酸素状態になる疾患

 呼吸器や循環器疾患の中には、診察中の安静時の測定では正常または少しの異常を示すだけでも、身体へ何らかの負荷がかかり、夜間睡眠中に低酸素状態になる疾患があります。

 

呼吸器疾患

 「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」や「間質性肺炎」などは昼間の仕事(運動負荷)により低酸素状態になる疾患です。

循環器疾患

 「不整脈」や「弁膜症」、「虚血性心疾患」などから起こりうる「重症心不全」などは、身体へ負荷がかかると低酸素状態に陥ることがあります。

 

睡眠呼吸障害

 呼吸器疾患や循環器疾患の患者さんにおいては、夜間におこる肺での酸素の採り込みが低下する睡眠呼吸障害により、低酸素状態に陥ることもあります。夜間の高度の低酸素状態や無呼吸による覚醒は最終的に心臓や血管に大きな負担をかけることになり、「 不整脈の発症 」、「 突然死のリスクの上昇 」、「 高血圧の発症 」に関係していることが多く報告されるようになっています。
 睡眠呼吸障害は稀な疾患ではなく、海外の研究では、40歳以上の一般住民で調査したところ、無呼吸低呼吸指数が15/時以上の中等度以上の患者さんは女性では、23.4%、男性では約半数の49.7%と極めて高頻度であったと報告されています1)。 睡眠呼吸障害を疑う主な症状は、「いびき」、「日中の眠気」、「熟睡感がない」、「起床時の頭痛」、「息切れ」、「夜間頻尿」があげられまれます。

 

文献 1)Heinzer, Lancet Resp Med, 2015

 

低酸素・睡眠呼吸障害の検査

 睡眠呼吸障害をチェックする臨床検査はいくらかありますが、最も簡便な検査は『 パルスオキシメーター 』による検査です。
 この検査は装置を自宅に持ち帰り、就寝前にデジタル時計のような装置を腕に巻いてそこから線でつながったセンサーを指に装着して、朝まで睡眠をとっていただくだけで終了となります。翌日に当院受付に装置を返却いただければ、それを解析し担当医より説明をさせていただきます。

 

いびき

日中の眠気

熟睡感がない

起床時の頭痛

息切れ

夜間頻尿

 

 上記のような症状が継続する場合は睡眠呼吸障害の可能性がありますので、この検査で早期発見し、予防治療につなげていくことが重要となります。
 当院では予約検査として実施しておりますので、受付もしくは呼吸器内科でご相談ください。

 

若草第一病院 検査課