アドバンス・ケア・プランニングをご存知ですか?

2018年11月27日

わたしたちは誰もが、いつ病気やケガによって命の危険に迫られる事態になるかわかりません。そして治療やケアなどについて自分で決めたり、意思を伝えることができなくなったりする可能性があるのです。そんなもしもの時のために、自分の治療やケアに関する考えを家族など、自分の信頼する人と話し合っておくことはとても大切です。

 

アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)は患者さん本人と家族が、医療者(介護者)と一緒に病気だけではなく、人生の目標や将来、意思決定能力が低下する場合などに備えて、終末期を含めた今後の医療や介護について話し合うことで、自分らしく生きることを目的としています。気持ちが変わることはよくあることなので、話し合いは人生の節目、入院したタイミング、環境が変わったタイミングなど定期的に繰り返しおこなうことが重要です。

 

ご本人の希望で往診、訪問看護、ヘルパーを利用して、在宅で一人暮らしをされている末期がんの方がおられました。その後病状が悪化し入院することになった時には、ご自身で意思決定できない状態で看取りも近づいていましたが、その方は遠方に住むご兄弟に最期どのように迎えたいのか自分が亡くなった後のことなどご本人の思いを家族と共有することができていました。

 

世間では終活などという言葉がありますが、自分らしく生きるためにも、家族(信頼できる人)や医療者、介護提供者などと一緒に「病気になったらどうする?」、「介護が必要になったらどうする?」、「施設に入る?家族で介護する?」、「どんな最期を迎えたい?」、「お葬式はどうする?」などを話し合っておいてはいかがでしょうか。

 

詳しくは、厚生労働省のホームページをご覧ください。
自らが望む人生の最終段階における医療・ケア
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html

 

 

若草第一病院 緩和ケア認定看護師