私がケアマネジャーを続ける理由

2021年09月07日

私がケアマネジャーを続ける理由

 

日本橋居宅介護支援事業所   石井 高枝

 

私は、平成12年に介護保険が始まってから、ずっとケアマネを続けています。実際、ケアマネ業は、自分から続けていると言うよりも、続けさせられていると感じています。

私は小豆島出身で、小さい頃はお遍路さんからお菓子等(時によりお金をくれる)をもらうのがあたりまえの生活をしていました。お遍路さんは、子供をお地蔵さんと見立て、お供えとして首にかけた袋から炒った大豆を渡します。

地域では、「おせったい」としてお遍路さんにうどんや甘酒をふるまいます。また、4月8日の灌仏会にはお寺さんへいつも行く等、お遍路さんの思いや無償の行いを常に見ている生活を過ごしてきました。

私の両親は67歳と72歳で亡くなったのですが、2人とも長患いをしなかったので、在宅介護を行った実感はありません。平成9年に訪問看護を始めた時には、利用者の方が、自分の親のように思えました。今は親の年より若い人達が多く、自分の家族という感じです。私の姉と兄も亡くなっているので、そう思うのかと思います。

私の祖母は6か月ほど寝たきり状態となり、家で看取りを行い、私が6歳の時に亡くなりました。そんな経験もあり、訪問看護での看取りは、当たり前のこととして受け止めていました。利用者は「最後は畳の上で死にたい」と言われる人も多かったです。今は、新型コロナの影響で入院すると面会が出来ない為、家族さんが「家で看てあげたい」と言われることが増えています。本人は、亡くなられる前の生活が自分の希望通りできると、波乱万丈な人生を送った人も最後に「良い人生が送れて良かった」と思っていると感じることがよくありました。

プライベートでも色んな出来事があり、ケアマネをするにあたり役に立つことがいっぱいありました。今生では、人の為に尽くすのが仕事と何となく思っている自分がいます。今、思えばお遍路さんからの思いを繋げているのかなと思います。

これからも、相手のことを敬い、できるだけ希望通りの生活が出来「良い人生を送れたな」と思って頂けるように支援を続けて行きます。