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認知症研修を通し学んだこと ~患者さんに寄り添う看護・尊厳を守る看護について考えよう~2025.05.20

こんにちは。

教育担当部長の花木です。

今回は、4月に開催された、新人看護師対象の認知症看護の研修について紹介します。

認知症とは、様々な原因で記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態をいいます。

認知症の症状として基本的になる症状の中核症状、中核症状によって引き起こされる行動・心理症状(BPSD)があります。中核症状によって時間や場所がわからなくなったり、自分の思いを上手く表現できなかったりします。

そのため、環境の変化に適応できずBPSDが出現してしまいます。BPSDは、徘徊や暴言暴力など本人の危険もありますが、職員たちへの大きな負担となります。そのため、認知症を理解し、患者さんに寄り添う看護・尊厳を守る行動の実現につなげることを目的としています。

以下のような研修で、医師・看護師などが講師を務め、2日間開催しました。

・認知症の原因疾患と病態・治療

・入院中の認知症患者に対する看護に必要なアセスメントと援助技術

・コミュニケーション方法及び療養環境の調整方法

・行動・心理症状(BPSD)、せん妄の予防と対応法

・認知症に特有な倫理的課題と意思決定支援

さらに、認知症看護認定看護師を招き、実際の事例を元に倫理的ジレンマに対するグループワークをし、発表してもらいました。

研修参加者からは、患者さんの行動に隠された思いがあるのではないか、入院している環境が不安や、恐怖を感じているのではないか、さまざまな意見をもとに、どのような関わり方がよいのかを考えることができた研修でした。

認知症看護の研修は、継続的に行っており、今後も患者さんに寄り添う看護を実践していけるような研修を企画したいと考えています。