訪問診療とは

訪問診療とは

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 訪問診療とは、皆さまが生活されているご自宅や施設場所に医師がお伺いし、診察させていただく医療です。診療にあたっては、ご本人様やご家族の方から、現在の症状やこれまでの病歴などを聞かせて頂いたうえで、皆さまにとって最良な診療計画や訪問スケジュールを立て、定期的に訪問させていただきます。(※定期的な訪問回数とは、おおむね月2回程度となります。)

  また緊急の際には、随時往診いたします。

 診療内容につきましては、日常の健康管理や薬の処方はもちろんのこと、必要時には採血や検尿といった検査を行い、皆さまのお体を総合的に管理診察させていただきます。また病状により、入院加療が必要となった際は、皆さまがご希望される病院への紹介や、当クリニックと提携する医療機関へご紹介させていただき、いち早く入院治療を受けていただくよう連携いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

在宅医療への取り組み

在宅医療長 川合 右展 

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 2016年の日本の死因は、第1位が悪性新生物(がん)、第2位が心疾患、第3位が肺炎ですが、最近では高齢化による老衰死が増えています。

日本は年間約130万人以上が亡くなる「多死社会」となり、住み慣れた自宅や地域で人生の終末期を過ごしたいという人が増加し、在宅医療での需要が拡大しています。

 しかし、在宅医療は最後をみとるためだけのものではありません。病院を退院し、安心して自宅や施設での療養を続けるためには在宅医療の充実は不可欠です。近年の在宅医療は、医療技術の進歩により、かなり高度な治療やケアも可能になっています。

 若弘会の在宅医療では、医師だけてはなく看護師、ケアマネージャーなど医療と介護の様々な職種が情報や技術を共有し、患者さんの想いに応えられるよう努力しています。在宅において24時間365日、患者さんの想いに応えることは容易なことではありません。医療者が疲弊してしまえば、患者さんとの笑顔の共有が難しくなります。また、医療者が心身ともに健康でなければ、患者さんにじっくり向き合うことはできません。このようなことから医療者が笑顔で質の高い医療サービスを提供できる環境を整備、構築しています。

 若弘会は機能や特質の異なる施設を擁し、急性期、回復期、慢性期、在宅医療の多機能からなるシームレスな医療を展開しており、急性期から在宅医療にいたる医療ネットワークが充実しています。この医療ネットワークの中で、私たちが目指すのは「住み慣れた家で生活したい。」「安心して最期まで自宅で過ごしたい。」という患者さんの想いを実現することです。私たちは患者さんに寄り添い「話を聴く」を何よりも大切にし、その話をもとに患者さんに最適な在宅医療を提供していきます。

 

 

チームで取り組む在宅緩和ケア

 私たち訪問診療チームは、今の医療では治らない病気であっても患者さんやご家族が、ご自宅で生活したいと希望されれば寄り添うことができます。様々な症状を緩和し、生活をよりよく送ることができるように医学の知識、技術を適用し対処しています。患者さんの苦痛緩和に焦点を当て、苦痛となっている症状緩和のための医療を提供しています。訪問診療チームの医師や看護師には、技術はもとより、知識と経験に培われた知恵も大切です。どんな病気であっても断らず、患者さんやご家族の話を丁寧に聴き、診療の際には分かりやすい説明を心がけています。

 一方、日々の訪問診療で目にするさまざまな状況からは、医療だけでは解決できないジレンマも感じます。これは、訪問診療で関わる患者さんの事であれば、病気の事以外の生活や地域の事に関心が持てるようになってくるということです。そして、何よりも私たちに求められていることは、患者さんが最期まで自分らしく、住み慣れたところで過ごせるように寄り添って一緒に考えていくことだとわかりました。

「最期まで自分らしく過ごしたい」という想いに応えるために地域には様々な支援があります。例えば、訪問看護師は可能な限り症状を緩和する対策を一緒に考え、生活の安寧を援助してくれる医療専門職です。また訪問介護士は生活を支えるプロ集団で、食事、掃除やゴミだしなど、暮らしにまつわる様々な事を上手に手伝ってくれます。そして、介護支援専門員は何でも相談できる介護のプロです。上手に人と人をつなげ、介護のことはもちろんですが、まわりのいろいろな事にも気を配り、オーダーメイドでサービスを提案してくれます。私たちはこのような地域に存在する様々な支援者と協力しながら、患者さんやご家族が、「ここで(住み慣れた場所)も過ごせそうだ」という安心感を持ってもらえるように、全員で考え支援させていただきます。