訪問看護師のつぶやき

2018年12月18日

 

ある利用者さんとの出会い


ガンの末期で、独身を貫いた女性
自信のエンデイングノートを書き上げ、会葬御礼のはがきには
日にちを入れるだけ
読書が大好きで、毎日むさぼるように読まれていた
ついに寝たきりとなるが、苦しい顔は見せず
笑顔で訪問者を迎えてくださる
金木犀(きんもくせい)の香りが漂う季節
季節感を感じてもらおうと、訪問時小さなタッパーに小さなオレンジ色の
金木犀の花を詰めて訪問するととても喜んでくださる
タッパーを開けては何度も大きく深呼吸
数日後にはタッパーの中身は黒い粒だらけで香りも消えていた
入れ替えようとしたが、もう金木犀の花は散って、手に入らない
捨てようと促すがこのままで置いておいてと大事に抱えておられた姿が
今でも目に浮かぶ・・
自分は辛い状況なのに・・その心遣いに胸が熱くなる

この仕事を始めて、改めて人間の強さや深い思いやりなどの生き様を教えられることが多く、自分の人生への教訓ともなる
ひとりひとりの利用者さんとの出会いを大切に
訪問看護師として、これからも成長し続けていきたい

 

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