日本緩和医療学会学術大会に参加しました

2019年07月31日

2019年6月21日(金)~22日(土)の日程で、第24回日本緩和医療学会学術大会がパシフィコ横浜で開催されました。

 今回は、在宅緩和ケアを中心にしたシンポジウムや演題を選び参加しました。

在宅緩和ケアを実践する多職種からの演題も多くなったと思います。

 昨年、介護報酬改定で居宅介護支援にターミナルケアに関する項目が創設されました。ターミナルケアマネジメント加算や運営基準の緩和は地域で活躍する居宅介護支援事業所やケアマネジャーにとっては朗報でした。

しかし、在宅での看取りを経験している事業所は多くはなく、国の調査によれば、調査期間の1年間に在宅看取りを行っていない事業所は38.9%で、個人のケアマネジャーでは更に高い割合となり経験のある方は少ないように思います。地域のケアマネジャーから、がんの方の在宅療養支援には困難を抱くことがあるとも聞きます。「家での看取りは不安」と思われがちです。

その人らしい生活や希望を実現するためには、利用者や家族がもつ顕在的、潜在的な希望を引き出し、利用者の病状や心情、周囲の状況や環境をみながら実現をサポートしていくのですが、ケアマネジャーは利用者の生活歴や家族との関係、趣味などの情報から、どのように生きてきた方なのかを知る機会を持ちやすいと思います。利用者のその人らしさは何かを考えることが一番できる位置にある職種です。在宅療養を支える身近なケアマネジャーから自宅でも緩和ケアを受けることができると伝えてもらうことはとても大切です。

ターミナル期にある利用者や家族にとって、かけがえのない時間のQOL向上に資することができるような連携ができる事業所が地域に多くなることで、自然に在宅看取りは増えていきます。死をタブーにするのではなく、生きるためのケアプランとして医師や看護師と一緒に考えていってほしいと思います。

在宅医療 看護部長

山地由紀子

 

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