院長 錦見俊雄の英文論文が発行されました
2025年06月10日
Google Scholarの引用回数が15,400回を超えました。
( https://scholar.google.com/citations?user=VDh7Y-MAAAAJ&hl=ja&oi=ao )
洋雑誌 ― Danish medical journal ―
（ Danish Medical Association 発行）
Adrenomedullin in pulmonary hypertension
Toshio Nishikimi, Hideyuki Kinoshita, Hideaki Inazumi, Takahiko Kanamori, Hiromu Yanagisawa, Kenji Moriuchi, Yasuaki Nakagawa
Dan Med J. 2024 Nov 15;71(12):A07240498. doi: 10.61409/A07240498.
（impact factor 1.0）
Danish Medical JournalのEditorからInvited State-Of-The-Art Reviewとして総説の執筆を依頼され、肺高血圧症に対する血管作動性物質Adrenomedullinの病態生理学的意義を、これまでの自験例も含めて執筆した。Adrenomedullinの急性投与で肺循環の血行動態が改善し、慢性投与では肺高血圧の発症を抑制し、進展を遅延させる効果があり、将来の肺高血圧治療に使用できる可能性を示した。
洋雑誌 ― Open Heart ―
（ BMJ Publishing Group 発行）
Responses of B-type natriuretic peptide (BNP), mature BNP and proBNP to sacubitril/valsartan differs between responders and non-responders
Toshio Nishikimi, Yasuaki Nakagawa, Shoichi Miyamoto, Takahiko Kanamori, Hideaki Inazumi, Hiromu Yanagisawa, Kenji Moriuchi, Hideaki Kinoshita, Yusuke Tamamura, Hiroyuki Takahama, Naoto Minamino, Koh Ono
Open Heart. 2025 Feb 23;12(1):e002990. doi: 10.1136/openhrt-2024-002990.
（impact factor 2.5）
血中のプロテアーゼであるネプリライシンは、BNPに対する基質特異性がANPよりも低く、proBNPとN-terminal proBNPはネプリライシンによって分解されない。臨床で使用されるBNP測定系はmature BNPとproBNPの両方を交差測定するので、BNP値はmature BNP + proBNPである。ARNIによりmature BNPが軽度増加するため、血漿BNP測定値はmature BNPの増加分だけARNI投与により初期に増加するが、Responder群ではARNI投与により心筋の壁応力が低下し、その結果BNP産生が減少し、ネプリライシンによる分解の阻害によるmature BNPの増加を相殺し、血漿BNP濃度が低下する。これまでのARNI治療後BNPが増加する、変化しない、低下すると研究結果が一致しなかったのは、各研究でresponderの割合が異なっていたことに起因する可能性を明らかにした。
洋雑誌 ― European geriatric medicine ―
（ Elsevier Masson SAS 発行）
Effect of comorbid heart failure assessed by plasma B-type natriuretic peptide level on the activities of daily living in patients with hospitalization-associated disability after aspiration pneumonia
Yusuke Tamamura, Michiko Matsuura, Sumiko Shiba, Toshio Nishikimi
Eur Geriatr Med . 2024 Feb;15(1):67-72. doi: 10.1007/s41999-023-00907-6.
（impact factor 3.5）
誤嚥性肺炎で回復期リハビリテーション病棟に入院した134名の患者さんを対象に、BNP値を100以上の心不全群、100未満の非心不全群に分け、リハビリテーションアウトカムの指標REに与える意義を検討した。REは心不全群で非心不全群に比べて有意に低かった。重回帰分析では年齢、男性、筋力、 嚥下機能、栄養指標に加えてBNPが有意にREに関連していた。以上の結果から、誤嚥性肺炎の患者において心不全の存在はリハビリテーション効果に負に影響することが示唆された。
洋雑誌 ― Nutrients ―
（ MDPI Publishing 発行）
Relationship between Improvement in Physical Activity and Three Nutritional Assessment Indicators in Patients Admitted to a Convalescent Rehabilitation Ward
Yusuke Tamamura, Chihiro Hachiuma, Michiko Matsuura, Sumiko Shiba, Toshio Nishikimi
Nutrients . 2024 Aug 2;16(15):2531. doi: 10.3390/nu16152531.
（impact factor 4.8）
回復期リハビリテーション病棟で栄養指標であるMNA-SF, GNRI, CONUTと退院時の身体機能との関係を1601人の患者で検討した。退院時歩行群は車椅子群よりも若く、MNA-SF、GNRIが高く、CONUTが有意に低かった。ロジスティック解析ではMNA-SF、筋力、嚥下機能が退院時歩行と有意に関係した。さらに、MNA-SFはリハビリアウトカムの指標REに有意に関連した。これらの結果から栄養指標の中でもMNA-SFは退院時の身体機能の改善に関係することが示唆された。
洋雑誌 ― Nutrients ―
（ MDPI Publishing 発行）
Frailty and Energy Intake Deficiency Reduce the Efficiency of Activities of Daily Living in Patients with Musculoskeletal Disorders: A Retrospective Cohort Study
Yusuke Tamamura, Chihiro Hachiuma, Michiko Matsuura, Sumiko Shiba, Toshio Nishikimi
Nutrients . 2025 Apr 12;17(8):1334. doi: 10.3390/nu17081334.
（impact factor 4.8）
リハビリテーションアウトカムの指標REと入院前のフレイルスコアとエネルギー摂取との関係について735名の回復期病棟に入院した運動器疾患患者で検討した。REはフレイル/栄養摂取低下群で他の3群よりも低かった。さらにはフレイル/栄養摂取十分群は非フレイル/栄養摂取低下群よりもREは低かった。重回帰分析では年齢、男性、フレイルスコア、栄養摂取、BNP、クレアチニンがREに関係していた。以上の結果から、フレイルと栄養摂取低下は運動器疾患患者のADL改善に負に関係していることが示唆された。
錦見院長は、心臓血管系などの研究を35年以上続けており、これまでに英文論文も200部以上発表しています。