ブログ:ネーザルハイフローによる呼吸管理の紹介
2016年12月29日
当院では新しい呼吸療法機器のネーザルハイフローを使用しています。ネーザルハイフローとは鼻から高流量(30L~60L/分)で高い精度の酸素を投与できる新しい呼吸療法で、加温加湿されることにより高流量にもかかわらず鼻が痛くならない快適な治療を望めます。
従来の呼吸療法と比べて機器を使用するもののマスク使用ではないため、飲食やコミュニケーションが可能となり、マスクをつけるという閉塞感から解放される利点があります。
【ネーザルハイフロー】
(Fisher&Paykel社資料より画像引用)
専門的な効果として下記のようなものがあります。
- 高流量の酸素ガスを流すことでCO2ガスを洗い流し、吸入酸素濃度上げて肺換気量を増大させる。
- 高流量の酸素ガスによりゆっくりした深い呼吸を促進させ、呼気の終わりにも肺に陽圧をかけ続けること(PEEP効果)で肺換気量が増大する。
- 気道の乾燥防止による免疫機能の正常化。
- 高流量により正確な酸素の吸入が可能。
(写真:酸素消費量 確認中)
酸素が必要で自発呼吸がある患者すべてが適応ですが、最も良い適応は、『自発呼吸がありCO2ナルコーシスでない呼吸不全患者で、NIV(マスク人工呼吸)・挿管までは必要ないであろう患者』とされています。
患者さんの受け入れもよくQOL向上に期待ができる医療機器です。これからも様々な機器を導入し、患者さんによりよい治療を提供できるよう努力してまいります。
<医療技術部 臨床工学技師>